デジタル化で変化した電子機器開発

デジタル化によって、多機能化や高音質・高画質と言った恩恵を、我々消費者はより一層享受できる様になってきました。

しかし、その一方で小型電子機器の典型である携帯電話やスマートフォン等の電子機器開発のあり方に大きな変化をもたらせ、それが日本企業をグローバル競争の中で追い詰めて行ったのです。携帯電話やスマートフォンは電波を発信したり受信したりする高周波部と、コンピューターとしての働きをするベースバンド部と、充電と電気を供給する電源部に大別されます。

高周波部は通信方式が決められている為、それに最適な半導体チップセットが開発され、ベースバンド部や電源部も、それぞれほぼ同様に標準化して最適な半導体チップセットが半導体メーカーから供給される様になりました。こうしたチップセットを利用すれば、比較的技術力が高くない中国の新興企業での携帯電話市場に参入できるようになって来たのです。

しかも、各半導体チップセットを使用して機器全体のモデル設計を行い、技術力のない新興メーカーをサポートするビジネスまで誕生したのです。この様に、デジタル化とデファクトスタンダード化が進む事で、電子機器開発の新しいスタイルが生み出され、元々技術力で先行していた日本や欧州の企業を駆逐して行ったのです。

唯一アメリカ企業で元気なスマートフォン企業は、電子機器開発と言うハードではなく、ソフト開発でユーザーの心を捉えて生き延びているのです。これが技術のコモディティー化と言われるものです。現在は自動車産業においても、ガソリン車から電気自動車への波が押し寄せつつあります。この技術変革が、電子機器開発で起こった事と同じ轍を踏まない事を願うばかりです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です